tonchiroの日記

話題性とは関係なく、自分の興味だけで紹介していきます。本とか映画とか音楽とか。

【積読処理日記】仏教入門 

本棚を整理していたら、きれいさから見ておそらく読んでいない本が出てきたので、読んでみました。

松尾剛次著「仏教入門」。岩波ジュニア新書の一冊です。

仏教の大まかな流れを復習するには適当な本です。

そもそも、そう思って買ったはずなのに、どうして読まなかったんだろう。

前半は仏教の概説。仏教というのは、仏陀の教えであるとともに仏陀になるための教えでもあります、から始まり、仏教の基本的な考え方、仏陀の生涯と仏教の伝播に進みます。

大乗仏教が発生し、チベット仏教、南伝、北伝と形を変えながら伝播していきます。

後半は、日本仏教について解説されますが、前半とは大きく趣が変わります。

中国を経て日本に伝わったということもあるのでしょうが、日本に入ってからの変化も大きい。日本の仏教というのは、やはり特殊なのか。

仏教伝来と聖徳太子の時代から始まり、奈良時代には国家から公認され、在来の神祇信仰とも集合していきます。平安時代以後は末法を迎え、鎌倉仏教の有名人がそれぞれ開設されます。この辺りまでは学校の教科書でもおなじみの内容です。

この本の特徴は、江戸時代以降の流れに一章を費やして、鎌倉新仏教が全国に展開していく時代と解説しているところです。決して、檀家制度にあぐらをかいて葬式仏教になり、研究に値しない対象になってしまったわけではないと。ここは興味深かったです。

その後、宮沢賢治から昭和の新宗教にまで進んでいきます。

私も、浄土真宗の住職の説教を聞く機会が年に一二度あるのですが、話し方もこなれていて、内容もなかなか興味深い。仏教に対する興味がまた湧いてきました。

もう少し専門的な本も読んでみようか。